風味豊かな南部料理

ニューオーリンズのケイジャン・クレオール料理は、マルディグラに匹敵するほど有名で、しかも華やか。この料理が食べられるレストランは街中に溢れています。 ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港（Louis Armstrong New Orleans International Airport）に降り立ったら、週末のジャズブランチ（Jazz Brunch）で有名な地元民お気に入りの店、コマンダーズパレス（Commander’s Palace）のような伝統のあるレストランで、ガンボとグリッツの故郷に挨拶しましょう。 朝食はこの街が誇るアートのようなものであり、100 年前にまで遡る伝統です。当時の朝食メニューは今よりさらに濃厚でバラエティ豊かでした。今日の朝食がジャンバラヤなら、明日は甘いベニエなどいかがでしょう。 この驚くべき幅の広さを実感するために、エリザベス（Elizabeth）に向かいましょう。この店のバナナフォスターを挟んだフレンチトーストは、一日のスタートを切るのにぴったりのメニューです。もちろん、鶏レバーのフライと卵を選んでもかまいません。 この街のベニエに込めた食へのこだわりを感じることができる店の 1 つ、ラ・プティット・グローサリー（La Petite Grocery）で、カニのベニエを味わってみてください。 日が暮れる頃に食事をすると、濃厚で深みのある味、ルーとレッドビーンズとライス、グリッツとグリヤードといったケイジャン・クレオール料理の真髄に飛び込むことになります。 受賞歴のあるコション（Cochon）がおすすめです。南部ケイジャン料理の手法を使った豚肉料理がメインの店で、料理には底知れない深みを与えられるものだと実感できます。 カキの味も試したいなら、生の魚介類専門レストラン、ペッシュ・シーフード・グリル（Peche Seafood Grill）から始めるのがベストです。 この辺りで最高のケイジャン・フライド・チキンを体験したいなら、クープスプレイス（Coop’s Place）がおすすめです。 次の目的地ガルフポートに向かう前に、この地域で一番人気のデザートの 1 つ、ブレッドプディングを味わってください。おすすめはブシュリー（Boucherie）のクリスピー・クリーム・バージョンです。

ニューオーリンズから 1 時間ほどのガルフポートでは、一味違った伝統ガルフコースト料理を楽しむことができます。一口食べれば病みつきになるおいしさです。 この気さくな浜辺の町には、ウォーターフロント地区のオールドフロリダ（Old Florida）があり、瀟洒なコテージが建ち並び、地元のショップやレストランも数多くありますが、一番の魅力はメキシコ湾に面していることです。 この町の料理は南部料理の影響を強く受けていますが、海鮮料理でもあります。 とれたてのエビ、ナマズ、カキを味わってください。海のそばで夕日を眺めながら食べるのが最高です。 ブロー・フライ・イン（Blow Fly Inn）のような店の前菜メニューでよく見られるのは、フライド・ディル・ピクルスやフライド・グリーン・トマトなどの南部で人気の料理です。 地元の人にガルフポート風のポーボーイサンドイッチはどこで食べられるかと聞くと、「口に広がる南部（South in Ya Mouth）」がモットーの店、リルレイズ（Lil’ Ray’s）を教えてくれるかもしれません。朝食メニューに目がないという人は、車で 10 分ほどのロングビーチにあるハーバー・ビュー・カフェ（Harbor View Café）でホワイト・チョコレート・ラズベリー・パンケーキを試してみてください。 ミモザカクテル片手にロング・ビーチ・ハーバー（Long Beach Harbor）を眺めながら味わってください。 サザン・グラウンズ・コーヒーハウス（Southern Grounds Coffeehouse）でドライブ中の喉を潤すコーヒーを買ったら、次の目的地ビロクシに向かいましょう。

ビロクシを代表する料理はシーフードかもしれませんが、この街のフードシーンをこれほど魅力的なものにしているのは、他の料理との融合が進んでいるからです。 それは単にとれたての食材を使っただけの料理ではありません。地元の食材をベトナム風に調理し、さらに南部料理のテクニックも少し加えています。 家庭料理、バーベキュー、伊勢エビなどと一緒に国際色豊かな料理が並びます。 ル・ベーカリー & カフェ（Le Bakery & Café）は、ベトナム風ポーボーイサンドイッチやカレー・ココナッツ・チキンなど、地元の味とアジア料理を融合したメニューを特徴とする店の代表例です。 もちろん、昔ながらのバーベキューが食べられるレストランもあり、その 1 つがスラップ・ヤ・ママス BBQ スモークハウス（Slap Ya Momma’s BBQ Smokehouse）です。「お前のママをひっぱたけ」という店名に怖気づくことなく、リブやプルドポークを心ゆくまで味わってください。 伊勢エビに詳しい食通であれば、この街の伊勢エビ料理が気に入るに違いありません。タラントズクローフィッシュ（Taranto’s Crawfish）などのレストランでは、茹でた伊勢エビをコーンやポテトと混ぜ合わせて山のように盛りつけた料理が出てきます。 この旅の間、行く先々で出会うバラエティ豊かなブレッドプディングを 1 つ残らず味わうことを忘れないでください。マリー・マホニーズ・オールド・フレンチ・ハウス（Mary Mahoney’s Old French House）では、次の目的地のモービルまでお腹がもつように、ラム酒をかけたブレッドプディングをテイクアウトしましょう。  

ピーチパイ、小ぢんまりとしたバーベキューの店、そしてボイルドピーナッツ。モービルのグルメシーンは活気と多様性に満ちていますが、間違いないのは、ここではシーフードが一番だということです。 水産業が主力産業の 1 つとなっており、モービル湾のすぐ先にはメキシコ湾が広がっています。 地元の人々はこの街の食文化を絶賛する声に大きな誇りを感じていて、それを裏づけるように、カニ、エビ、魚、カキの専門レストランが数多くあります。 ウィンツェルズ・オイスター・ハウス（Wintzell’s Oyster House）は、モービルの繁華街の中心に位置する有名レストランの 1 つで、初めてモービルのカキ料理に触れるには格好の店です。カニ肉の塊にホウレンソウとオランデーズソースを添えた謝肉祭の料理を試してください。 どの店でも、いつものやつを頼む愉快な単語の繰り返しが聞こえてきます。フェリックスズ・フィッシュ・キャンプ・グリル（Felix’s Fish Camp Grill）で「ワン・ワン・ワン」と言えば、カップに入ったガンボ、カニのスープ、ウミガメのスープのことです。スポット・オブ・ティー（Spot of Tea）では、焦がしエビを入れてメキシコ産ハタと伊勢エビで作ったソースをかけたケイジャン・シーフード・オムレツが定番料理になっています。 食べ物を買って行くなら A&M ピーナッツショップ（A&M Peanut Shop）の炒りたてピーナッツ 1 袋だけにしてください。次の目的地モンゴメリーにも食べておきたいものがたくさんありますから。

この州都で最も注目を集めるレストランの多くは、アレイエンターテイメント地区（Alley Entertainment District）という 1 つのエリアに集まっています。このことから、モンゴメリーの人々が食を楽しみの 1 つと考えていることがよくわかります。 「ザ・バット・ハット（The Butt Hut）」や創業 100 年のホットドッグ店などのニックネームで呼ばれるスモークシャックでは、最高のバーベキューを楽しむことができます。 この街のバーベキューピット文化に飛び込むなら、ドリームランドバーベキュー（Dreamland Bar-B-Que）でヒッコリーを使ったスモークソーセージとリブを付け合わせのオクラやブランズウィックシチューと一緒に堪能してください。 ここには、伝統的な南部料理だけでなく、日本料理、イタリアン、メキシコ料理などのレストランもあります。 アレイから少し歩いたとしても、食欲をそそるものが見つかります。 レールヤード・ブルーイング・カンパニー（Railyard Brewing Company）の地ビール醸造所は、このエリアの過去と現在が一体化した建物でレストランを営業していて、プレッツェルバンズのバーガーをピメント・チーズ・フライや地ビールと一緒に楽しむことができます。 この食事は、次の目的地アトランタの料理とビールの最新事情を探る旅に向けた肩ならしにうってつけです。 

この大都市は伝統を大切にしていますが、アトランタを新たな食の街として浮かび上がらせたのは、現代のアメリカ料理と南部的な要素の融合です。 アトランタには桃とベリーがあり、チキンとダンプリングがあり、いくつものクレオール・ジャズ・ブランチもありますが、ステーキ、地元産の食材を活かした料理、そして国際色豊かな料理を楽しむのに絶好の旅行先でもあります。 バックヘッズ KR ステーキバー（Buckhead’s KR SteakBar）では、小皿料理のステーキの後にパスタも食べずにいられなくなるでしょう。 都会の華やかさの中で南部の雰囲気を感じたいなら、20 分ほど先のジケーターズ・ケイクス + エール・レストラン（Decatur’s Cakes + Ale Restaurant）に向かいましょう。2 品目のことを考える間もなくアランチーニのかぼちゃディップ添えを勧められます。 アトランタが南部のルーツとどう向き合っているのかを自分の目で確かめたいなら、流行の先端を行くウェストサイド・アーバン・マーケット（Westside Urban Market）内の JCT キッチン（JCT Kitchen）に行ってみてください。 まず屋上で一杯飲んでから、ダイニングルームに移り、トリュフのパルメザン・チーズ・フライ、エビ、グリッツと付け合わせのエアルームトマトを味わいましょう。 まだお腹に余裕があるなら、帰りの便に乗る前にハーツフィールドジャクソン国際空港（Hartsfield-Jackson International Airport）のワン・フルー・サウス（One Flew South）にも立ち寄ってみてください。 「サザンナショナル」料理は南部フードツアーを締めくくるのにぴったりです。